
オーナーとなった出資者は、「ネットで干し柿を買っただけ」
多くの出資者は、かぶちゃん農園等のグループ企業から様々な農作物や加工品を購入し、「リピーターになったついでにオーナになった」という方が多かったそうです。
オーナーになれば年利10%という高利回りで配当が受け取れる
「ケフィア事業振興会」は、こんな言葉で出資者を集い、現在は契約者への支払いが数百億円に上る滞納金額として膨れ上がっている。
干し柿を食べたい
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ネットで安く買える
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会員になるとさらに安く買える
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商品が届く
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次のお知らせに「貴方もオーナーになると、美味しい干し柿が安く手に入る!」「それだけではなく、干し柿のオーナーになったら、毎年美味しい干し柿の他に、出資した金額の10%を配当金としてお届けします。」「あなたと同じように干し柿が食べたい!という方が大勢います。」
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100万円なら出資してみようか
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10%の配当と、干し柿が届く
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2~3回続いたら干し柿以外の商品やオーナーのお誘い案内が届く
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「配当もあるし、現物も来る、もう少し出資するか」
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出資額に応じて、配当と現物が届く
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出資を増やす
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増やした分だけ、配当と現物も増えていく↓
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出資をさらに増やす
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という沼に陥るわけですね。
企業がすべての約束を守り、オーナーに100%約束を果たしていれば何の問題もありません。
しかし、社員から「自転車操業だった」との声もあがっていたそうです。
出資者の方は、毎月届く山のような勧誘資料を見るのが嫌で、郵便箱を開けることが苦痛になる方もいらしたそうです。
この
「ケフィア事業振興会」
代表取締役社長は鏑木秀彌(かぶらぎひでや)という方
ケフィアグループ約40社の関連企業を統括しているそうです。
1992年創業し、元々は食料品、菓子類、清涼飲料水、果実飲料、日用雑貨、服飾品、衣料品等の販売等を手掛けていた企業とのことですが、2013年の売上高が65億5195万円であったところ、オーナー制度を開始した途端に2017年には売上高1004億252万円を計上しているそうです。
2018年9月3日の時点で破産手続きが始まったそうです。
グーループ企業のかぶちゃん農園は、天竜川にほど近い長野県飯田市にあります。
オーナー商法は「現物まがい商法」「ペーパー商法」等とも呼ばれ、今までにも「安愚楽牧場(4207億)」「豊田商事(2025億)」「オレンジ共済(93億)」など昭和を代表する大きな事件があり、他にも「茨城カントリークラブ(1200億)」「ワールドオーシャンファーム(849億)」「投資ジャーナル(580億)」「平成電電匿名組合(500億)」「近未來通信(IP電話基地局投資400億)」「ふるさと牧場(和牛預託商法387億円)」「岡本倶楽部(ホテル会員権300億)」など様々な社会問題となりました。
貴方のお近くで、「干し柿のオーナーになったんだけど、最近配当も干し柿も来なくなった」という方がいたら、この事件かもしれません。
くれぐれもご注意くださいね。
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