近大マグロが台風21号の影響で被害総額1億円!

世界で初のマグロの養殖に成功した近畿大学。
マグロの養殖場として和歌山県串本町に生簀がある近畿大学 水産研究所大島分室が、2018年9月4日に近畿地方に上陸し、25年ぶりの「非常に強い」勢力で甚大な被害をもたらしたた台風21号で被害総額約1億円に上る被害があったと報告されました。

被害の内訳としては、既に出荷サイズとされる30kgまで成長したクロマグロが600匹、そのうちの250匹が死に、350匹が海に逃げたそうです。
なんとももったいない話ですが、逃げたマグロは太平洋で仲間を見つけて回遊魚として生きることができるのでしょうか。と余計な心配がよぎりますw
さてこの近大マグロですが、近畿大学が1970年から研究をはじめてから、完全養殖に成功したのは2002年。ここに至るまで32年の歳月をかけています。
さらに大量生産で市場に流通できるようになったのが2014年。まだ4年しかたっていません。
日本人の胃袋に収まるマグロの量は年間で約35万トン以上。そのうち近大が出荷できる量はわずか60トンということで、国内需要のわずか0.15%ということであれば実際にお目に掛かれないのも無理はありません。
ここまで「希少」となれば、食べたくなるのが人情というものですが、それではどこへ行けば食べられるのか?というと「アーマリン近大」という近大マグロを販売している近畿大学のベンチャー企業に掲載されていました。

アーマリン近大
https://www.a-marine.co.jp/

近畿大学はマグロしか養殖していないと思われている方もいらっしゃるようですが、
アーマリン近大では、クロマグロ以外でもマダイ、シマアジ、カンパチ、ブリ、ヒラマサ、トラフグ、クエ、ヒラメ、イサキ、イシダイ、カサゴ、クロダイなど「こんな魚も養殖されているの?」という魚が購入できるようです。

近大マグロの実際のお値段は、おおむね200gで2500円とマグロの中でも最高級の部類に入るお値段ですが、なにせ完全養殖までに30年余りを費やし、さらに流通するまでに12年、最近ようやく一般人の口に入るようになった希少性を考えれば、決して高い値段には思えなくなります。
さらにこの希少価値の根拠として、研究当初は卵から親魚まで育つ生存率がなんとわずか0.0016%。ようやく最近になって生存率を1%にまで引き上げることができたそうなので、現在においてもいかに希少かがわかります。
クロマグロは絶滅危惧種と言われ、地域によって毎年漁獲量が厳しく制限され、世界のマグロの需要も増える一方、特に近隣の超大国がむやみやたらと獲りまくるとなれば、今後も天然物のマグロがどんどん減り、養殖マグロに掛ける期待もうなぎのぼり?ならぬマグロのぼりということになります。
今回ようやく大量流通の軌道に乗った矢先での大きな被害ですが、一刻も早く回復し、庶民の口にも入るほどの流通量に引き上げてもらえるとありがたいなぁ、と思っています。

あー、マグロ食べたい!

和歌山県串本町の近畿大学 水産研究所大島分室マップ

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